「え?商品代は払ったのに、なんでさらに税金を払うの?」

海外通販や越境ECで最も多い相談の一つが、この関税です。
実際に私も10年以上、現役通関士として輸出入業務に携わってきましたが、輸入トラブルの多くは「関税を知らなかった」「思っていた税額と違った」というケースです。
この記事では、関税の仕組みから、税金を合法的に安くできるEPA(経済連携協定)まで、実務目線で分かりやすく解説します。
関税は「消費税」とはまったく別の税金です
まず最初に知っておいていただきたいことがあります。
関税と消費税は別物です。
海外から商品を輸入すると、
- 関税
- 消費税(輸入消費税)
- 必要に応じて地方消費税
が課される場合があります。
つまり、「商品代+送料を払えば終わり」ではありません。
商品によっては関税だけで数万円になることもあります。
関税率は「HSコード」で決まる
世界中には、すべての商品に**HSコード(Harmonized System Code)**という共通の商品分類番号があります。
例えば同じ「靴」でも、
- 革靴
- スニーカー
- サンダル
- ゴルフシューズ
ではHSコードが異なります。
さらに、
- 材質
- 形状
- 用途
- 加工方法
などによって分類が細かく分かれています。
つまり、
「服だから10%」「靴だから20%」という単純なものではありません。
まず正しいHSコードを決め、そのコードに対応する関税率を適用します。
実は革靴は関税トラブルの代表格です
輸入で特に相談が多い商品の一つが革靴です。
革靴には比較的高い関税率が設定されており、輸入者が驚くケースが少なくありません。
これは日本の革製品産業など国内産業を保護する政策の一環として、高めの関税体系になっている品目があるためです。
海外ブランドの革靴を購入すると、
「思ったより税金が高い。」
というケースは珍しくありません。
アパレルも意外と関税が高い
革靴だけではありません。
輸入トラブルが多い商品には、
- 洋服
- 帽子
- バッグ
- 財布
- 革小物
などアパレル関連も含まれます。
商品によっては10%前後の関税がかかることもあり、小売事業者にとっては利益に大きく影響します。
例えば利益率5%の商品で10%の関税が発生すると、それだけで利益構造が変わってしまいます。
EPAを使えば関税が0%になることもあります
ここが意外と知られていません。
近年、日本は多くの国・地域と**EPA(経済連携協定)**を締結しています。
代表的なのは、
- RCEP(アジア・太平洋地域)
- ASEAN加盟国
- EU
- イギリス
- ベトナム
- タイ
- インド など
一定の条件を満たせば、通常の関税率ではなくEPA税率を適用できます。
例えば、
通常関税:10%
↓
EPA適用:0%(FREE)
となるケースもあります。
輸入量が多い企業ほど、この差は非常に大きなコスト削減になります。
EPAには「原産地証明」が必要です
EPAは自動で適用されるわけではありません。
適用には、
- 原産地証明書
- インボイスへの所定の記載
- 原産品であることを示す情報
などが必要になります。
ここで少しでも記載ミスや書類不備があると、EPA税率が認められず通常関税になるケースがあります。
実務では、この書類不備によるトラブルは本当に多くあります。
EPAは「書けばOK」ではありません
実はここが一番難しいポイントです。
EPAは、
- 商品価格
- 協定の種類
- 輸入国・輸出国
- 商品の原産性
- 年度ごとの制度改正
などによって必要な条件が変わります。
さらに税率自体も見直されることがあり、「去年は適用できた」「今年は条件が違う」ということもあります。
そのため、インターネットの古い情報だけで判断するのは危険です。
現役通関士からのアドバイス
越境ECや輸入ビジネスでは、「送料を安くすること」よりも「関税を正しく理解すること」の方が利益に大きく影響することがあります。
- HSコードは正しいか。
- EPAは適用できるか。
- 原産地証明は問題ないか。
- インボイスの記載は適切か。
この4つを確認するだけで、防げるトラブルは非常に多くあります。
私は現役通関士として、EPA案件や越境EC案件を日常的に取り扱っています。
「この商品はEPAが使える?」「関税はいくら?」「HSコードが分からない」といったご相談も対応していますので、お困りの際はお気軽にお問い合わせください。



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