
海外通販や越境ECで商品を購入したのに、
「税関で保留になっています。」
「追加書類をご提出ください。」
そんな連絡を受けて驚いた経験はありませんか?
実は、海外との商取引では日本国内では考えられないようなトラブルが日常的に起こります。
私は国際物流業界で10年以上、現役の通関士として輸出入業務に携わり、多種多様な通関トラブルに対応してきました。この記事では、税関検査になりやすいケースと、スムーズに通関するためのポイントを実務経験をもとに解説します。
税関検査になりやすい貨物とは?
もちろん税関は様々な情報をもとに審査・検査対象を判断していますが、実務上、追加確認や検査につながりやすいケースには共通点があります。
① 個人から個人宛(C to C)の貨物
個人間の荷物は商業貨物と異なり、内容や価格が不明瞭なケースも少なくありません。
そのため、内容確認の対象となることがあります。
② インボイスの品名(Description)が曖昧
これは本当によくあるケースです。
例えば次のような記載です。
PartsSampleMachineAccessoriesGift
これでは「何の部品なのか」「何のサンプルなのか」が分かりません。
インボイスには、具体的な商品名を書くことが非常に重要です。
良い例
- Leather Wallet
- Cotton T-Shirt
- Stainless Steel Bicycle Parts
- Mobile Phone Case
品名が具体的になるだけで、通関がスムーズになるケースは多くあります。
③ 価格が相場とかけ離れている
例えば、
- ブランドバッグ:100円
- スマートフォン:10円
など、明らかに市場価格と乖離している価格が記載されているケースです。
税関では価格の妥当性も確認対象になることがあり、必要に応じて購入画面や決済履歴などの提出を求められる場合があります。
④ 発送元が慎重な確認対象となる地域
発送元の国や地域、貨物内容などを踏まえ、追加確認が行われるケースがあります。
発送地域だけで判断されるわけではありませんが、内容確認が必要となる場合があります。
⑤ 過去の輸出入でトラブルがあったケース
輸出入の履歴や過去の申告内容との整合性が確認されることがあります。
過去に修正申告やトラブルがあった場合は、より丁寧な確認が行われるケースもあります。
特に輸入規制が厳しい商品
日本では輸入に制限や許可が必要な商品が数多くあります。
代表例はこちらです。
- ワシントン条約対象の革製品(ワニ・ヘビなど絶滅危惧種由来)
- 革靴・バッグなど一部アパレル製品
- 医薬品・サプリメント(個人使用量を超える数量)
- たばこ・電子たばこ関連
- 食品・植物・種子
- 化粧品(数量や用途による)
購入できたからといって、日本へそのまま輸入できるとは限りません。
条件を満たさない場合は輸入許可にならず、商品が返送・廃棄となることもあります。
一番多いトラブルは「送り主が適当にインボイスを書く」こと
実はこれ、本当に多いです。
日本では問題なく商品を購入し、決済も完了している。
それなのに現地の発送者が、
- 品名を「Sample」
- 金額を適当に1ドル
- 数量を適当に記載
というインボイスを作成して発送してしまうケースがあります。
その結果、日本の税関で内容確認となり、購入者へ連絡が入ります。
日本では考えにくいことですが、海外通販や海外取引ではこうしたことは珍しくありません。
越境ECでは「送り主が正しい書類を作ること」も非常に重要です。
税関から連絡が来たらどうすればいい?
慌てる必要はありません。
多くの場合は、
- 購入画面(注文内容)
- 支払い履歴
- 商品URL
- 商品の用途
などを提出することで確認が進みます。
そして一つ伝えたいことがあります。
担当する通関士は、お客様の敵ではありません。
通関士は税関とお客様の間に立ち、必要書類を整理し、できるだけスムーズに輸入・輸出できるようサポートする役割です。
もちろん通関士にも様々なタイプがいますが、必要な情報を迅速に共有していただければ、問題解決に向けて全力で対応します。
現役通関士としてお手伝いできること
これまで数え切れないほどの輸出入トラブルに対応し、ときには税関上層部との協議や複雑な案件の調整にも携わってきました。
- 越境ECの通関相談
- インボイスの作成チェック
- 輸出入で止まってしまった貨物の相談
- 海外発送・輸入手続きのサポート
個人・法人を問わず対応しています。
「この商品は輸入できるの?」「税関から連絡が来たけどどうすればいい?」という段階でも、お気軽にご相談ください。
この記事は現役通関士としての実務経験をもとに執筆しています。
個別案件では商品の内容や輸入条件によって必要な手続きが異なる場合があります。



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